個人03

保有している株が大暴落してしまいました

背景
 相談者の加藤さん(仮名 50代)夫妻は、現在ご自宅で子供2人と生活中です。昨年父親が亡くなりアパートや株式を含む金融資産などを相続しましたが、今まで賃貸経営にも株式運用にも全く縁がありませんでした。
 しかし、2008年のリーマンショックの影響は加藤さんの金融資産にも大きなダメージを与えました。父親から引き継いだ金融資産も大きく減ってしまったのです。
 このまま続けていれば、受け継いだ資産が大きく減ってしまい、親に申し訳ないという思いと、自分たちの老後の生活にも大きな影響が出るのではないかと思い、相談できる人を探していました。

ご不安
 これまで堅実に働いてきた加藤さん夫妻は、特に株式等の金融資産運用などは経験してきませんでした。親の相続で急に金融資産をもらったものの、その取扱いについては証券会社に任せておいたというのが実際のところです。
 しかし、リーマンショックで金融資産の大きな変動を初めて体験し、このままでは老後も不安定になってしまうのではないかと心配していました。

アドバイス
1 バランスシートの確認
 現状把握には、バランスシートを確認することが重要です。
 加藤さん夫妻の場合には、下記のとおりになりました。

単位:万円
現金
2,000
負債
0
株式・投資信託
4,000
 
 
不動産
 
 
 
アパートA
15,000
 
 
土地付戸建(自宅)B
15,000
 
 
 
 
 
 
保険
4,000
純資産
40,000
総資産
40,000
 
40,000

2 老後のキャッシュフロー
 資産内容を確認すると、老後の生活には十分な資産があることがわかりましたので、まずその事について説明して安心して頂きました。
 その上で、注目したのは相続したアパートです。このアパートは加藤さんの父親が30年ほど昔に建てた木造の古いアパートで、現在も稼働中ではありますが、土地の広さや用途が最適ではないように見られました。
 もしも、仕事を退職して老後のキャッシュフローについて不安があるのであれば、金融資産の見直しよりも前に、このアパートの処遇(売却、建直し、修繕)について検討する事が重要になってきます
 今回は、建直しを検討する事でアパートの収入が480万円/年から930万円/年に改善することになります。
3 金融資産の配分
 最後に金融資産の見直しです。株式、投資信託や保険については、証券会社や保険会社の勧められるままで購入しており、あまりバランスの良いポートフォリオとは言えない状況でした。
 運用では、基本的に長期分散投資が重要である事を理解して頂いた上で、国内資産と海外資産、債券と株式をバランスよく保有するようなポートフォリオに組み替える事にしました。この際のポイントはなるべく購入・保有コストを下げる事が長期的にはパフォーマンスを良くする事に繋がります。

著者ご紹介

CFP®・証券アナリスト。総合リース会社にてファイナンス、不動産ベンチャーにて不動産仲介・投資実務を学び、2008年11月より株式会社マネーライフプランニング代表取締役。「個人のファイナンシャルリテラシーの向上」を目的に、個人向けの投資勉強会や株式投資クラブの運営など活動の範囲は幅広い。

主担当者コメント
 リーマンショックは、世界中の投資家に大きなダメージを与えましたが、その中でも特に、自分が何に投資をしているか理解していない人々には大きな心理的ダメージを与えたようです。今回の事例では、バランスシートを確認してもらう事で不動産資産が、金融資産よりもずっと金額も大きく重要である事に気付いてもらうことができ、大きな改善につながりました。

保険FPからのコメント
 個人でも企業同様、バランスシートとキャッシュフロー表を作成することが大切です。バランスシートではキャッシュフロー表だけでは見つけにくい問題点を発見することができます。今回のケースには負債はありませんが、運用を始める際も、住宅ローンがある場合で利子率の高い場合などは、返済をまず優先した方がいい場合もあります。一度ご自身の状況を確認した上で、運用を始められることをお勧めします。
 
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