個人02

預金だけしているのは危ないです

背景
 相談者の石田さん(仮名 30代)は、独身で自宅暮らし。会社の給料も悪くありませんし、特に派手に遊ぶ事もないので、お金は自然と貯まっていってしまいます。
 これまで、漠然と「投資」や「資産運用」について考える事はありましたが、どうしても「運用」には危険なイメージがあり、また最初にどのように始めたら良いのか見当もつかなかったので、実際には銀行預金しかしていませんでした。

ご希望
 ご相談の内容は、「運用」に興味がある事はあるのだが、全くわからない分野なのでアドバイスが欲しいとの話でした。
 金融資産は1,500万円ほど持っていましたが、特に具体的に何がしたいという希望も特にありませんでした。

ポイント
1 資産ポートフォリオについて
 まず、資産運用の基本である資産ポートフォリオの分散について説明をしました。多くの人が誤解をしていますが「資産運用」の主目的は「資産を増やす」ことにあるのではなく、「資産を減らさない」ために行うものです。
 次の大きな誤解は「銀行預金」にはリスクがある、という事実です。運用の世界では一口に「リスク」と言っても、流動性リスク、カントリーリスク、価格変動リスク、インフレリスク、スキームリスク、デフォルトリスクなど様々なリスクが存在します。確かに「銀行預金」には価格変動リスクは存在しませんがインフレリスクには、ほとんど対応する事ができません。
 つまり「銀行預金」はある一定の条件(デフレ・円高)の中ではリスクは少ないものの、異なる条件(インフレ・円安)の中ではリスクの高い商品であるという事になります。
 ポートフォリオの基本としては、国内・海外、株式・債券にバランス良く配分する事が重要ですし、それがリスクを減らす事に繋がります。
2 資産運用は経験が必要
 これは、実際に投資を始めてみない事には中々理解できないのですが、資産運用は何よりも【メンタル・精神力】が重要な要素です。
 資産運用を上手に行うには「安い時に買い、高い時に売る」事が必要なのですが、人は心理的に「高くなりだして話題になると欲しくなり、皆が売って暴落している最中に売ってしまいたくなる」ものです。
 この人間の心理と逆の行動をする事ができるようになるまでは、ある程度の訓練が必要です。そして、それは実践して身につけていく事が一番の近道です。
 ですので、いつも少額でも良いので実際に運用を始めてみること自体が非常に重要であるとアドバイスしています。
3 オフショアでの投資
 実際に投資を検討する事になれば、どの金融機関で何の商品を購入するのかは大事なポイントになります。
 長期での資産運用のポイントはできる限りコストを抑える事にあります。もちろん国内の金融商品でも良いものもありますが、視野を海外まで広げる事ができれば、海外の金融機関で運用する事も可能です。
 特にタックスヘイブン諸国にある金融機関では、キャピタルゲインに対する課税を繰り延べる効果を得る事が出来ます。
 このケースでは、相談者に海外金融機関の情報を教えたところ、最初は1,500万円のうちの200万円ほどを、海外金融機関で海外ファンドを利用して運用することとなりました。

著者ご紹介

CFP®・証券アナリスト。総合リース会社にてファイナンス、不動産ベンチャーにて不動産仲介・投資実務を学び、2008年11月より株式会社マネーライフプランニング代表取締役。「個人のファイナンシャルリテラシーの向上」を目的に、個人向けの投資勉強会や株式投資クラブの運営など活動の範囲は幅広い。

主担当者コメント
 日本人の多くは、金融資産を預金や保険の形で保有しています。一方で預金や保険で保有していることに対するリスクについて認識しているケースはほとんどありません。「資産運用」というと「リスク」を取る行為だと思われていますが、実際は逆の行為である事に、早く多くの人に気付いてほしいと思っています。

保険FPからのコメント
 資金が必要な時に運用成績が良くない、また現金化する際に時間がかかってしまう場合もありますので、運用はあくまで余裕資金で始めることが前提です。銀行口座の預金は緊急予備資金として生活費の半年〜1年分、それ以外に5年以内に予定されている支出分を確保しておけば十分だと考えられます。
 中長期(10年以上)にわたる資産形成を考える場合は、インフレリスクに備え一定額を投資にまわすことが効率的な場合が多いです。
 
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