個人01

自分のライフスタイルに合わせた投資がしたい。そんなご希望を叶えます

背景
 ご相談者の浦辺さん(仮名)は都内に住む40歳のサラリーマンです。数年前に証券会社の営業マンに薦められて中国株投信を100万円購入しました。購入直後は「上がっていますよ」とか「買い増ししませんか」などという連絡が頻繁にありましたが、その後は担当者から全く音沙汰がなくなります。最近巷で「リーマンショック」という言葉をよく耳にするため不安になり、購入した商品がどうなっているかを証券会社に問い合わせたところ、担当者は既に他の支店に転勤し連絡をとることができず、買った商品は40万円に値下がりしていました。浦辺さんは頭にきてその中国株投信は解約しましたが、その後のいい運用先がわからず、どうしたものかと悩んでいます

ご希望
 浦辺さんの思いとしては、株はもうこりごりなので比較的安全な商品がいいのですが、損した分を取り戻したいという思いは少なからずあります。仕事が忙しいため頻繁に売買を行いたいという思いはなく、短期間で値上がりしなくても、自分の定年にあわせ長期的に上昇していくような商品に投資したいと考えています。

ご提案
浦辺さんに対し、以下のゼロクーポン債を案内しました。

通貨:AU$(オーストラリアドル)
購入単価:額面100AU$に対し33.7AU$
クーポン:0%
利回り:6.30%(複利運用)
残存期間:満期まで約18年

ポイント
 浦辺さんが比較的高い利回りを望んでいるため、話し合いの上で通貨はAU$を選択し、運用期間は浦辺さんの退職時期に近い18年としました。ゼロクーポン債の場合、利息はつきませんが購入単価(33.7AU$)が額面金額(100AU$)より低いため、満期に向けて単価が額面金額に近づくことで、単価上昇による利回りが得られます。(今回の事例では為替変動を考慮しない場合、40万円の購入金額に対し満期時の受取金額は約120万円であり、差額80万円が利益となります)。また保有期間中は利息がつかない分、利息に対し税金がかかることもなく、複利による効率的な運用が行えます。満期時又は売却時には差額の利益に対して税金がかかりますが、満期の直前で売却を行った場合、この利益は税金上「総合譲渡所得」となり、利益の計算上、以下の点で優遇されます。
1.利益の金額から50万円が控除されます
2.長期保有(5年以上)の場合、50万円控除後の利益からさらに2分の1が減額されます。
3.給与所得者(一定以下の所得に限る)の場合、給与以外の所得が20万円以下であれば確定申告の必要が無く、つまり課税されません。

 浦辺さんの場合、差額80万円(120万円-40万円)に対し、(80万円-50万円)×1/2=15万円が所得となり、20万円以下の所得かつ給与所得者であることから税金はかかりません。
 話しておくべきリスクとして①市場の金利変動により保有期間中の単価が上下すること、②AU$の為替変動により円金額ベースでの受取額が上下すること、③手数料相当分として、購入時および売却時の為替レートが実勢のレートよりも不利となること、などを説明しました。浦辺さん自身、満期の途中で売却する意向が無く、また為替リスクは長期間の運用利回りで補えるだろうと判断し、購入に至りました。
 購入から約1年半、為替は購入時よりやや円高で推移していますが、単価はほぼ予定通りに上昇しています。何より浦辺さん自身が判断して購入した商品が、予定通りに運用されていることについて、たいへん満足されています。

著者ご紹介

税理士・ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引主任者
野村證券㈱で約10年間、お客様目線でのコンプライアンス業務・接客業務に従事。現在は税理士法人にて税理士業務全般を行っている。相続・事業承継に関する事案に数多く携わり、資金繰りや資産運用に関する相談も得意としている。

主担当者コメント
 投資において一番大切な事はご自身の投資方針や資金の使い道に見合う商品を選択することです。今回はご相談者が比較的高い利回りを求めていたのでAU$債を案内しましたが、お客様のニーズ、ライフスタイルに合わせて選択する商品・ポートフォーリオ(資産配分)は様々です。

金融FPからのコメント
 証券会社に薦められた銘柄が下落して損失を出す個人投資家は現実に沢山いらっしゃいます。しかし、投資においては「損失を取り返す」という姿勢で次の投資に臨むと、新たな損失を生む可能性が高くなります。ギャンブルで熱くなって失敗するパターンと同じです。それを防ぐためには、一度過去の損失において、当時の判断の何がいけなかったのかを十分に反省して新しい投資に臨む姿勢が何よりも重要です。
 
2015/09/17
誰にどのように相続させるのか?

2015/07/10
タイトルを入力


 
▲このページのTOPへ