誰にどのように相続させるのか?

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これから一定のペースでメンバーが書き込みをしますので、宜しくお願いします。

 

早速ですが、「くらしの相続Q&A」の改訂版が今年の9月18日に出版されます。

初版が出てから3年、その間にいろいろな改正がありましたので、それらをすべて反映させております。

頁数があるためちょっと重いのが難点ですが、内容が充実しており、自信があります。

一度書店で中身をご覧いただいて、辞書のように使える本として、一冊備えてはいかがでしょうか。

 

改訂版でも触れましたが、最高裁判所で、「嫡出子と非嫡出子との相続割合に差がある民法規定は違憲」という決定が出されました。

私が司法試験受験生だったころから、この民法規定が憲法第14条1項に反して違憲か否か、という論点があり、学者の本では違憲という結論がほとんどでした。

この世に生まれてくる子供に、生まれながらに何ら責任を負わせてはならず、差別があってはならないという一方で、嫡出子側としては、非嫡出子って誰だよ、という気持ちになるのも理解できます。

ただ、制度や価値観は時代と共に変わってしまいます。

 

家督相続などの家制度が無くなったのは、現行憲法が施行されたのに伴って民法が改正されてからです。もう70年近くも前の事です。

しかし、今でも相続の相談で、「自分が家督を継いだのだから」、とか、「自分が長男なのだから」ということをおっしゃる方が多いように思えます。

 

誤解しないでいただきたいのですが、それぞれの人の価値観を否定する気はありません。むしろ尊重すべきだと思っております。

それだからこそ、ご自身の価値観にできるだけ合致するように相続の準備をする、ということが必要です。

先ほどの最高裁決定の事例でも、被相続人が事前に遺言書で嫡出子に多く相続させると記載しておけば、非嫡出子の遺留分を侵害しない限り、その遺言書のとおり相続させることができます。

家督相続という制度はありませんが、被相続人が長男に遺産の大部分を相続させたいのであれば、他の相続人の遺留分を侵害しない程度で長男に遺産を相続させる旨の遺言書を作成すればいいのです。

もし被相続人が、そのような遺言書を作成していないというのであれば、それは法律に従うべきというのが被相続人の意思となります。

被相続人の意思がそうであるのならば、遺された相続人としては、その被相続人の意思を、やはり尊重すべきでしょう。

 

くどくどと長く書きましたが、要は、相続や遺産分割について、事前にある程度決めて、家族で話をしてみてはいかがでしょうか、ということです。

江戸時代では、大名が死ぬ間際に慌てて跡取りの養子を迎えること(末期養子)を武家諸法度で禁止していました。

大名たるもの、自分が死ぬ直前になって慌てて跡取りを決めるな、ということです。

また、誰が後を継ぐのかで御家騒動になれば、その大名家は幕府によって改易、つまり取り潰しとされる場合もありました。

 

ここは武家諸法度の考え方に倣って、事前に相続や遺産のことを家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

その時も、もちろん被相続人となる方の意思が一番尊重されるべきです。

秋のお彼岸、ご先祖様の話のついでに、相続のことを考えて、話し合ういい機会だと思います。

 

そんな話し合いの時に、「くらしの相続Q&A」を参考にしていただけると、ありがたいです。

 

渡邊竜行(弁護士・AFP)

2015/09/17
 
2015/09/17
誰にどのように相続させるのか?

2015/07/10
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